祖父が大切にしていた樹齢2000年の樹を父が売ってしまった。
スペイン、バレンシアからドイツへ。
オリーブの樹を取り戻すため、孫娘と仲間たちの旅が始まる。

オリーブの樹は呼んでいる

オリーブの樹は呼んでいる

  • 劇場情報

監督:イシアル・ボジャイン「ザ・ウォーター・ウォー」/脚本:ポール・ラヴァーティ「天使の分け前」「わたしは、ダニエル・ブレイク」/製作:ミヒャエル・ヴェバー、フアン・ゴルドン/音楽:パスカル・ゲーニュ/撮影:セルジ・ガリャルド
出演:アンナ・カスティーリョ、ハビエル・グティエレス、ペップ・アンブロス、マヌエル・クカラ

配給:アット エンタテインメント 宣伝:ムヴィオラ
© Morena Films SL-Match Factory Productions-El Olivo La Película A.I.E

intro


『天使の分け前』の名脚本家×スペイン期待の女性監督
夫婦コンビで贈るヒューマンな感動作

映画の始まりは、樹齢2000年のオリーブの樹が
スペインの大地から引き抜かれ売られているという新聞記事。

ある日、脚本家のポール・ラヴァーティは、2000年もの樹齢を持つオリーブの樹が大地から引き抜かれ、売られているという新聞記事を読んでショックを受けた。彼はその記事について、妻で映画監督のイシアル・ボジャインに話した。それが、この映画『オリーブの樹は呼んでいる』の始まりだった。
地中海原産で、スペインやイタリアなど地中海地域で広く栽培されているオリーブ。平和のシンボルともされているオリーブ。その樹齢2000年もの立派な樹が売られている。しかも、それが環境を大切にしているという企業のアピールのために買われていったとしたら。なんという皮肉。これは私たちの世界が抱えている矛盾。夫婦でもある脚本家と映画監督は、この題材をひとつの家族のドラマとして、ユーモアに溢れ、ラストには未来への希望さえ感じさせる素晴らしい物語にして私たちに届けてくれた。

名匠ケン・ローチとのコンビで知られる脚本家ポール・ラヴァーティ、
その妻で数々の映画賞に輝くスペイン屈指の女性監督イシアル・ボジャイン。
ゴヤ賞新人女優賞のアンナ・カスティーリョの魅力も必見。

脚本のポール・ラヴァーティは、イギリスの名匠ケン・ローチとのコンビで知られ、『麦の穂を揺らす風』『わたしは、ダニエル・ブレイク』で2度のカンヌ国際映画祭パルムドールに輝いている。
監督のイシアル・ボジャインは、女優としてビクトル・エリセ監督の『エル・スール』でヒロインを演じるなど活躍した後、監督に転じ、今やスペインを代表する映画監督だ。ヒロインのアルマには本作でゴヤ賞新人女優賞に輝いた新星アンナ・カスティーリョ。アルマの祖父を、地元で実際にオリーブ農園を営むマヌエル・クカラが演じているのも注目だ。そして、2000年ものあいだ根を張っていたスペインの大地から引き抜かれ、ドイツへと売られてしまったオリーブの樹が、本作のもう一人の主役であることは間違いない。オリーブの樹の声が聴こえてくる。そして一度は壊れてしまった家族のそれぞれの心の声が聴こえてくる。家族、世界、自然、未来、多くのことを語りながら、微笑みを忘れないヒューマンな感動作が誕生した。

story

20歳のアルマは、気が強くて扱いにくい女の子。
オリーブ農園をやっている祖父とだけは幼い頃から深い絆で結ばれていたが、その祖父は何年も前に喋ることをやめてしまっていた。
それはきっと、祖父が大切にしていた樹齢2000年のオリーブの樹を、農園の経営難から父が売ってしまったから。
ついに食事もしなくなった祖父を見て、アルマは、ある考えに取り憑かれていく。
祖父を救う唯一の方法はオリーブの樹を取り返すことなのでは? でも、どうやって?
アルマはなんの計画も資金もないままに、変わり者の叔父と同僚のラファを嘘で丸め込み、
ヨーロッパのどこかにあるはずのオリーブの樹を取り戻すため、
ドン・キホーテよろしく無謀な旅へ…。


【知ってた?スペインやイタリアのオリーブの樹が売られています】

環境に優しい企業だとアピールするために、わが家のシンボルツリーにするために、オリーブを植えようと樹を買う人がいます。
その樹の中にはスペインやイタリアから引き抜かれて来た樹齢1000年、2000年の樹もあるのです。

キャスト・スタッフ

監督:イシアル・ボジャイン

マドリード生まれ。幼い頃に女優としてキャリアをスタートさせ、30作以上の映画・テレビ映画に出演。ビクトル・エリセ監督の『エル・スール』(83)ではヒロインであるエストレリャを演じ、ケン・ローチ監督の『大地と自由』(95)ではヒロインのブランカとともに闘う女性兵士マイテを演じた。1995年に監督としての長編デビュー作『HOLA, ¿ESTÁS SOLA?(HI, ARE YOU ALONE?)』を発表。監督第2作となった『花嫁の来た村』は1999年カンヌ国際映画祭国際批評家週間作品賞を受賞し、高く評価される。2003年の『TE DOY MIS OJOS(TAKE MY EYES)』はゴヤ賞(スペイン・アカデミー賞)作品賞ほか7部門で賞を獲得したほか多数の国際映画祭で賞を受賞。ポール・ラヴァーティが脚本を手がけた『ザ・ウォーター・ウォー』(09)でゴヤ賞13部門ノミネート/3部門受賞、ベルリン国際映画祭パノラマ部門観客賞を受賞。アリエル賞最優秀ラテンアメリカ映画に選ばれたほか、2010年アカデミー賞外国語映画賞のスペイン代表作品にも選出されている。

監督:イシアル・ボジャイン

【監督メッセージ】
この映画で私が伝えたいのは、もう一度信じてみてほしいということです。もう一度信頼する心を取り戻してほしい。なぜなら、8年以上も続くスペインの大不況下で私達が支払った最も高価な代償は、国が貧しくなっただけでなく、人間にとって不可欠なもの、すなわち“希望”を失ったことだからです。この物語で主人公のアルマがオリーブの樹を取り戻そうとする時、彼女の行動を誰も無視することができないのは、そのためです。 パワフルでありながら脆く、激しいのに繊細で、自分自身は破滅的にも関わらず、最も愛しい存在である祖父にすべてを捧げようとする。アルマは大自然が持つ力です。ブラックコメディかと思うような、ドン・キホーテまがいの無謀なミッションへと、周囲を巻き込んで踏み出してしまう。彼女は、そんな潮の流れを変えることのできる……少なくとも変えようと立ち上がれる若者なのです。

脚本:ポール・ラヴァーティ

アイルランド人の母とスコットランド人の父のもと、インドのカルカッタで生まれる。その後スコットランドで弁護士となり、民事・刑事ともに手掛ける。1980年代半ばに中米のニカラグアを旅し、3年近く現地に滞在。地元のNGOに参加し、ニカラグアにおける人権侵害を裏付ける証拠の提供に尽力した。ニカラグア滞在中にはエルサルバドルやグアテマラへも赴いた。中米を離れた後、イギリス人映画監督、ケン・ローチと出会い、『カルラの歌』で初めて映画の脚本を執筆。続く『マイ・ネーム・イズ・ジョー』は2000年カンヌ国際映画祭でピーター・ミュランが男優賞を受賞。その後、現在に至るまでケン・ローチとタッグを組み、欠かせないパートナーとなっている。ローチとラヴァーティのコンビ作にはカンヌ国際映画祭パルムドールに輝いた『麦の穂をゆらす風』(08)や『わたしは、ダニエル・ブレイク』(16)、日本でも大ヒットを記録した『天使の分け前』(12)などがある。ラヴァーティは『SWEET SIXTEEN』(02)でカンヌ国際映画祭脚本賞、『この自由な世界で』(07)ヴェネツィア国際映画祭脚本賞を受賞している。イシアル・ボジャイン監督とは、多数の賞を受賞した『ザ・ウォーター・ウォー』と『KATMANDÚ, UN ESPEJO EN EL CIELO』ですでに組んでおり、本作はボジャイン監督との3作目のタッグとなる。

アルマ:アンナ・カスティーリョ

アルマ:アンナ・カスティーリョ

1993年バルセロナ生まれ。テレビドラマや映画にいくつか出演後、2011年から2014年にかけてのテレビシリーズ「Club Super 3」で印象を残す。本作で映画初主演。ゴヤ賞新人女優賞、スペイン映画ライターズ・サークル新人女優賞を受賞し、新世代のニュースターとして一躍注目を浴びる。

アーティチョーク:ハビエル・グティエレス

アーティチョーク:ハビエル・グティエレス

1971年生まれ。90年代からテレビドラマや映画で活躍。日本で公開、テレビ放映、DVD発売されている出演作に、『シンディにおまかせ』(09)<未>、『赤の銃士 狙われた王位とルイ14世の陰謀』 (11)、『マーシュランド』(14)、『暴走車 ランナウェイ・カー』(15)など。『マーシュランド』で2014サン・セバスティアン国際映画祭男優賞、2015ゴヤ賞主演男優賞ほか多数の賞を受賞。本作では2017ゴヤ賞助演男優賞にノミネートされた。

ラファ:ペップ・アンブロス

ラファ:ペップ・アンブロス

1987年生まれ。2005年にプリンシパル劇場(TEATROPRINCIPAL)で初舞台。その後も舞台を中心に活躍。バルセロナ劇場(TEATRO DE BARCELONA)では演出助手も務める。本作が初めての本格的な映画出演。